スノーボードには、エアーやトリックを競うフリースタイル系とスラロームやクロスコースで競うアルペン系と、多彩な楽しみが魅力のスポーツです。
その多彩さと両足が開かないスタイルゆえに、転倒した時に起こるケガは、スノーボード骨折と言われるように特殊な傾向が見られます。
例えばフリースタイルでは、頭部、肘、上腕、脊髄、手関節など上肢の損傷・骨折が多く、アルペンでは、頭部、下腿、足関節が多く発生しています。
特にフリースタイルではジャンプの失敗や逆エッジ現象による緩斜面での転倒がケガの原因になる場合が多い傾向が出ています。
このような状況を把握することで、スノーボードのケガを予防し、安全に楽しみたいものです。
①後部への転倒は上体を低くし、背中を丸め、後頭部をぶつけないよう頭を上げます。
②前方に転ぶ時は膝から雪面につき、両手は肩より広げて体を支えます。何れの時もボードが雪面に刺さらないようボードを上げます。
③ジャンプでは、バランスがとれのた状態で正しく踏み切ることが基本。着地時はできるだけボード角度を斜面に合わせます。テールから着地するとその反動でバランスが崩れます。
安心して楽しむためにはプロテクターの装備は必須
言葉や頭では分かっていても慣れるまでは転び方も一瞬に判断できないもの。
上級者でもスノーボードでの転倒は大きなケガに繋がることを念頭に置くと、
上半身をはじめ部位に合わせて防護してくれるプロテクターの着用が望ましいと言えます。
全身を完璧にサポートし、自在な動きを表現できる機能を兼ね備えたプロテクターの着用で
スノーボードの楽しみはさらに拡がります。
札幌医科大学整形学科 渡邉耕太先生(バンクーバーオリンピック・日本選手団本部ドクター)による
「スノーボード損傷」(臨床雑誌「整形外科」掲載より変換引用)